


この解析ではCCSA様(https://www.ccsa.gmu.edu/)が無償配布している同定済みのMY2015 Camryモデルを使用します。
モデルがアップデートされ、シートが搭載されたためダミーを搭載することができるようになりました。
今回、事例紹介「衝突解析①」のモデルからシートベルトを取り外してみました。
解析条件はFMVSS208に則っています。(ベルトが無いため則っていませんね)
簡単に「衝突解析①」をおさらいすると、
- エアバッグ:見込み値で作成した簡易的なモデル
- 結果:ダミーの挙動は不正確ではあるものの、拘束できていることがわかる
今回の結果を見ると、ダミーは自由に前方へ移動するため、明らかに障害値が上がっています。
- 頭部:
エアバッグがカウンターパンチのように乗員の顔面にぶつかっています。
HICがかなり高くなっており致命的です。 - 胸部:
ステアリングに強打するため肋骨の変形量が大きい。 - 膝部:
ダッシュトリムに強打しているため大腿骨荷重が大きい。 - 足首部:
とても痛々しい方向へ曲がっています。
私は足首の骨折(脛骨天蓋骨折や距骨骨折など)を経験しているため、この結果を見ているだけでゾワゾワします。
この解析結果はエアバッグが見込み値であり、ステアリングコラムの衝撃吸収機能が無いため現実とは違う結果になっています。
しかし、シートベルトをしていないことで致命的なダメージを負ってしまうことがわかりました。
その他のサンプルでは、荷物が固定されていなかったら?他の衝突形態は?車以外では?など、様々なサンプルを追加していく予定です。
弊社では自動車メーカーから、各国の法規評価(FMVSS,UNR…)、各国NCAP評価などを受託しています。お気軽にお問い合わせください。