側面衝突(FMVSS214)

FMVSS214側突斜め

この解析ではCCSA様(https://www.ccsa.gmu.edu/)が無償配布しているフルラップ前突同定済みのMY2015 Camryモデルを使用して側面衝突解析を紹介します。

FMVSS214で定義された条件と台車で解析を実施します。UNR95よりも速く、重い台車が斜め前から衝突する条件です。

なお、サンプルモデルであるため、実車とは異なる結果になることはご了承ください。

FMVSS214では運転席と後席にそれぞれダミーを搭載しますが、このモデルではダミーは搭載しません。もちろん、他の事例にあるようにダミーを搭載して障害値を確認することが可能です。

側面衝突CAE結果

1368kgの台車が54km/hで静止した車両に衝突します。ドアが大きく変形していますが、室内侵入量は少なく見えます。

台車を非表示にして車両の動きを見てみましょう。

 

FMVSS214CAE結果

台車を非表示にしてみると、Bピラーとドア内インパクトビームが台車の侵入を抑えていることがわかります。

前後方向の断面を見た様子が以下のアニメーションです。

 

側面衝突バリア侵入量

断面で見てみると、Bピラーの変形をシートが受けていて、左右Bピラー間の距離が縮まらないようになっていることがわかります。バリア侵入量≒Bピラー間距離変化は、乗員の生存空間確保に直結するためとても重要です。

降伏応力が非常に高い材料を使わない限り、厚肉かつ大断面の部材を使用せざるを得ない部分のため、量産車がいかに効率よく設計されているかがよくわかる部分です。

最終的にはエアバックも考慮したダミーの障害値で良否判定をすることがになりますが、開発初期段階ではBピラー間距離に着目して設計することも可能です。

また、車両全体CAEモデルではドアロックが完全ロックした状態での解析となりますが、ドアが開いてしまうと評価NGとなるため設計が難しい衝突条件の一つです。

 

弊社では自動車メーカーから、各国の法規評価(FMVSS,UNR…)、各国NCAP評価などを受託しています。お気軽にお問い合わせください。

最適化では、ドア内インパクトビーム、Bピラー、フロアクロスメンバー、サイドシルを設計することが可能です。