TOSCA Accelerator の機能と特徴
従来の構造トポロジー最適化手法は、線形静解析ソルバーを用いるものが主流でありました。しかし、実際の構造設計において重要となる「非線形接触」や「材料の非線形(塑性変形挙動など)」を最適化プロセス内で直接取り扱うことは困難であり、要求性能に非線形現象が含まれる製品開発においては、効率的な最適化計算が行えないという技術的課題が存在していました。
OptiAssist TOSCA Acceleratorは、従来の線形解析中心の手法では対応できなかった、以下の高度な非線形制約条件を考慮したトポロジー最適化を実行可能です。
本アドインソフトを使用することで、TOSCA単体でのトポロジー最適化マシンタイムが、最大で1/6に削減することができます。
OptiAssist for Abaqus - TOSCA Acceleratorの特徴 -
大規模・非線形モデルにおけるソルバータイムの高速化実証データ
大規模構造物や詳細なメッシュ分割を施したアセンブリモデルにおいて、構造最適化を阻害する最大の要因は計算時間(ソルバータイム)の増大です。特に接触条件や材料非線形を織り込んだSIMULIA Abaqus/Standardによる増分解析では、反復計算の回数が非線形的に増加するため、実務レベルのワークステーションであっても数日間にわたり計算リソースが占有される課題が存在していました。
OptiAssist TOSCA Acceleratorは、この計算コストの爆発を抑制するために開発された最適化アルゴリズムを搭載しています。開発元による実証ベンチマークデータ(大規模モデルにおける実行時間比較)の詳細は以下の通りです。
高速化検証におけるモデル条件
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総要素数:1,000,000要素クラス
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設計領域(最適化対象領域):150,000要素
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荷重条件:3つの増分荷重ステップ(3 incremental load steps)
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解析仕様:Abaqusソルバー単体での1サイクルあたり計算時間が約1時間の非線形解析モデル
最適化計算に要した総時間の比較
従来の構造最適化プロセスである「Standard TOSCA」を用いた場合、最適化の収束完了までに総計32.3時間の処理時間を要していました。これに対し、同一の計算環境下で「TOSCA Accelerator」を適用した結果、すべての最適化ヒストリーの完了までに要した時間はわずか5.25時間へと短縮されました。
これは、従来の解析手法と比較して約6分の1の処理時間(処理速度にして約6.15倍の高速化)を達成したことを意味します。本モジュールは、非線形構造解析の精度を担保したまま、設計変数の探索に要するソルバーの呼び出し回数および内部の定式化を最適化することにより、大規模モデルにおけるリードタイムの大幅な削減を可能にしています。

接触および塑性ひずみ制約を考慮した最適化アルゴリズム
実務における具体的な設計制約である「接触」および「塑性変形」に対する処理ロジックについて解説します。
局所的な応力集中と材料非線形への対応
従来のトポロジー最適化では、部材間の接触剛性の変化や、応力が降伏点を超えた後の塑性ひずみ挙動を制約条件として直接評価することが困難でした。OptiAssist TOSCA Acceleratorは、Abaqusによる材料非線形解析結果の履歴を直接ソルバーロジックに組み込み、局所的な塑性ひずみ制限を厳格に満足しながら質量を最小化します。これにより、応力集中による破壊リスクを織り込んだ形状探索が可能となります。
具体的な適用事例と検証データ
本ロジックの有効性を示す具体的な実証データは以下の通りです。
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ロールフープ(Roll Hoop)の最適化: 要素サイズ1.5mmのモデルにおいて、6方向の150kN荷重条件を設定。評価領域に発生する塑性ひずみを許容限界値である2%以内に満足させながら、質量比0.35(約1.35kg)への最軽量化を達成しています。
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サスペンションロッカー(Suspension Rocker)の応力最適化: 面接触を含む9つの荷重ステップにおいて、許容応力上限値を900MPaに設定。結合部付近の局所的な応力ピークを制限値内に収め、ピーク応力を上昇させることなく既存設計から8%の質量削減を達成しています。
本手法により、境界条件や非線形現象を簡略化することなく、実機試験基準に準拠した構造探索が可能です。

不収束エラーを回避するリカバリー機能(Recover Solution)
構造最適化の計算プロセスにおいて、非線形解析の不収束によるエラー停止は、開発リードタイムを大幅に遅延させる技術的課題です。特に材料の非線形性や大変形を評価する解析では、形状変化に伴って局所的な歪みが限界値を超え、SIMULIA Abaqus側で解が収束せずプログラムが終了する障壁が存在します。
OptiAssist TOSCA Acceleratorは、この計算停止に対処するため、自動的な巻き戻し(Rewind)を行う「Recover Solution」機能を搭載しています。最適化の実行中に不収束エラーが発生した場合、ソフトウェアは最適化履歴ファイル(OptimisationHistory.csv)を自動参照し、異常を検知する直前の正常に収束した計算サイクルまでモデルおよび積層情報を復元します。
これにより、夜間等の運用時であっても計算リソースの損失を防ぎ、正常な中間サイクルから最適化プロセスを安全に再開することが可能です。また、特定の計算サイクルを任意に選択して再実行を指示し、応力やひずみの詳細な等高線結果(コンター結果)を抽出して最適化の進行度を検証する機能もサポートしています。
周辺プリポストツールおよび外部プラグインとの連携機能
最適化プロセスにおける前処理(プリ処理)および後処理(ポスト処理)の効率化を目的として、外部の主要CAD/CAEツールとの高度な連携機能がプラグインとして提供されています。
ANSA Design Toolkit との連携によるモデリングの効率化
BETA CAE Systems社のプリプロセッサ「ANSA」のDesign Toolkit拡張プラグインにより、以下のモデリング自動化機能が統合されています。
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HexMesh Part Replace(ヘキサメッシュ自動置換機能): テトラ(四面体)メッシュまたはトリア(三角形)メッシュで構成された境界領域を、規則的なボクセルヘキサ(六面体)メッシュへ自動的に置換します。これにより、トポロジー最適化ソルバーの計算効率を高め、より明確なロードパスの抽出を可能にします。
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Make Connectors(コネクタ自動生成機能): 2つの異なるメッシュ領域を、カップリング(RBE2/RBE3等)やブッシング要素を用いて自動的に結合します。最適化の設計空間に対象部品を組み込む、あるいは新規部品を追加する際、結合インフェースの作成に要するモデリング工数を削減します。
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OptiAssistプラグインの機能拡張: 幾何形状の動的な関連付け(Geometry Associativity)や、フェース単位でのユーザー定義パターン(Automatic User Patterns by face)の自動生成機能がサポートされており、プリ処理における変数定義を半自動化します。
Abaqus/Viewer 向け「Visualise Topology Results」の機能更新
ポスト処理においては、Abaqus/ViewerおよびAbaqus/CAE環境とダイレクトに連携する「Visualise Topology Results」プラグインが提供されています。
本プラグインにより、最適化ソルバーから出力されるトポロジー結果(密度分布データなど)を外部フォーマットに変換することなく、Abaqusの環境上でそのまま可視化できます。すでに開いている.odbファイルへの直接処理や、TOSCAから直接出力された最適化結果のインポートにも対応しており、ポスト処理に要する手続きを簡略化します。

OptiAssist for Abaqus Case Studies
OptiAssist for Abaqus のケーススタディ
活用されている
分野の例
- レース産業
- 自動車産業
- 海洋産業
- 再生可能エネルギー
- 航空宇宙産業
