今回の事例では、LS-Dynaを使用したガラスの衝撃解析を紹介します。
使用するモデルはフロントウィンドウのみで、HIC解析用のインパクターを使用して衝撃解析を実施します。引張/圧縮や曲げなどの基礎試験を模擬しても全く面白くない結果になるため、HICの事例と被りますがご容赦ください。
- CCSA様配布のMY2015 Camryから流用したラミネートガラス
- GRMにて過去にMATカードを作成したラミネートガラス(乗用車用では無いもの)
上記の2パターンにて解析を実行します。
左がCamryから流用した結果です。ただし、前突用モデルであり、ガラスについては正しく同定されているか不明です。(たぶんされていません)
右が弊社で過去に作成したMATカードを使用したモデルの結果です。乗用車用では無いことに注意が必要です。
いずれの結果も、HICは十分に低い値になっており、値だけで見れば大きな差はありません。Camryのモデルは粉々になっているように見えます。ここで亀裂の様子を見てみましょう。
紫になっている部分は破断して要素が無くなる部分です。Camry流用モデルはほとんどフィルムのみで耐えている状態でした。弊社MATカードのモデルは乗用車には少し強すぎるようにも見えます。(亀裂が少ない)
この違いは、インパクター加速度のピークにもしっかりと見ることができます。
弊社では、材料試験からMATカード作成までを一貫して請け負うことで、正確なCAE結果をお届けしています。もちろん、お客様から支給された試験結果からもMATカードの作成が可能です。
正しいCAE結果を得るために、正しく一貫性のある試験結果と、正しいMATカードを作成することが重要です。