LS-DYNAによるオフセット前面衝突解析(ODB)

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ODB衝突解析結果。
図1:LS-DYNAによるODB衝突解析結果
ODB(Offset Deformable Barrier)衝突解析結果。バリアを破壊しながら車両前端を潰すことで衝突エネルギーを吸収する。

本事例のトピック:オフセット前面衝突(ODB)解析とアセスメント評価

  • 車両の片側のみで激しい荷重を受ける「オフセット衝突」において、キャビンの変形抑制とエネルギー吸収を両立するODB(オフセットデフォーマブルバリア)衝突解析の事例を紹介します。
  • UNR94法規に則り、LS-DYNAを用いて車体前部の圧壊メカニズムを精緻にシミュレーション。フルラップ衝突(ダミー障害値の低減)との背反となる、車体骨格の剛性バランス最適化を支援します。
  • 一般的な乗用車はもちろん、開発が活発化している小型モビリティ(小型EV)まで、各国の法規評価(FMVSS, UNR等)およびNCAP等のアセスメント評価に広く対応可能な解析技術です。

今回は衝突の受託解析事例として、CCSA様が無償配布している同定済みのMY2015 Camryモデルを使用してODB(オフセットデフォーマブルバリア)衝突を紹介します。

バリアは、LSTCが配布している無料のデフォーマブルバリア(Shell要素版)を使用します。

解析条件はUNR94に則っています。ただし、ダミーは搭載しておらず、質量として搭載されています。

ODB衝突解析結果のアニメーション。
図2:LS-DYNAによるODB衝突解析アニメーション
UNR94に則ったLS-DYNA解析結果アニメーション。強固なキャビンの変形は小さく、車両前側でエネルギーを吸収できている。
ODB衝突解析結果のアニメーション。側面視から。
図3:LS-DYNAによるODB衝突解析アニメーション(側面視)
バリアを押しつぶしつつ、サイドシルが後退したタイヤを受け止めることでキャビンの変形を抑えている。
ODB衝突解析結果の結果。バリアを非表示にした車両潰れ切り状態。
図4:LS-DYNAによるODB衝突解析結果(バリア非表示)
車両前側が潰れ切るが、キャビンへの侵入は非常に小さい。ペダル後退量も制限されており、安全なボディである。

フルラップリジッドバリアを同定したモデルを使用しており、ODBの精度については保証されていないため、実車とは違う結果になっていることをご了承ください。

今回の結果をYouTubeで確認できる結果と比較してみると、車両挙動はとてもよく合致しています。フルラップ衝突をしっかりと同定したモデルのため、ODBでも十分な精度があるように見えます。

オフセット衝突では車両の片側で荷重を受けるため、クラッシュボックス・サイドメンバー・サイドシル・フロアメンバーを堅牢にする必要性があります。しかし、あまりに堅牢に設計してしまうとフルラップ衝突時のエネルギー吸収量が不足し、ダミー障害値が上昇するという背反があるためバランスを取ることが必要です。

弊社では自動車メーカーや設計企業から、各国の法規評価(FMVSS,UNR…)、各国NCAP評価などを受託しています。お気軽にお問い合わせください。小型EVの評価も多数実施しているため、小型モビリティ開発にもぜひご利用ください。

その解析課題、GRMが解決します。

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この記事の監修・執筆チーム

GRM Consulting株式会社 解析エンジニアリング部

モータースポーツ最高峰のF1から量産車開発まで、20年以上にわたり構造設計・衝突・振動・流体解析に携わるスペシャリスト集団。 単なるシミュレーション結果の提示に留まらず、本記事のような各種法規/アセスメント評価を得意とし、自動車メーカーからアセスメント評価受託をしています。

  • 主要ツール:LS-DYNA, Abaqus, Genesis, Nastran, OptiAssist, Simcenter 3D
  • 専門領域:構造最適化、衝撃エネルギー吸収体最適化、CFRP複合材解析、衝突解析、CFD解析