頭部傷害解析(HIC)②

今回の事例では、ボンネットの頭部傷害値解析(HIC)事例に続き、内装トリムの頭部傷害値(HIC)をLS-Dynaで解析してみます。FMVSS 201Uを参考に、以下のようにモデルを構築しました。

内装Aピラーへの頭部傷害値(HIC)CAE解析

車両のモデルはCCSA様が配布しているCamry MY2015前突用モデル、インパクターはLSTCが配布しているFMH(Free Motion Head Form)を使用します。インパクター接触位置は、FMVSS201Uに厳格に従っているわけではありません。また、前突用モデルのためAピラートリムの精度は不明であり、Aピラー内のエアバッグ等内蔵物は不在です。そのため、実車とは異なる結果になることをご了承ください。

インパクターは衝突速度24km/hで内装トリムに衝突します。ターゲットはHIC(d)<1000です。HIC(d)の算出方法はFMVSS201Uで規定された方法に従ってフィルタリング等の処理をします。

以下はLS-Dynaによる衝突解析の結果アニメーションです。

Aピラーの頭部傷害値(HIC)のCAE解析結果アニメーションLS-Dynaを使用した内装向けHIC解析の結果アニメーション

HIC(d)の値を確認してみましょう。

Aピラーに衝突したときのHIC(d)の値

HIC(d)の値は853でした。Aピラー周りをしっかりとモデル化したデータで解析しているわけではないため、このHIC値については言及しません。

今回は内装へのFMHインパクター室内衝撃試験を模擬したCAE解析を紹介しました。CAEによる評価だけでなく、CAE最適化により内装トリムの板厚やリブ配置をコントロールすることでHIC値を改善することができます。気になる方はお気軽にお問い合わせください。