本記事のトピック:OptiAssist for Abaqusを用いた非線形接触モデルのトポロジー最適化
- 非線形接触を定義した梁の3点曲げモデルにおいて、OptiAssist for Abaqus(Tosca Accelerator)を活用したトポロジー最適化の実行手順および他ソルバーとの計算結果の比較を解説。
- 陰解法解析で生じやすい接触や材料非線形性に起因する収束エラーに対し、自動戻り計算機能による計算停止の回避および計算効率化の仕組みを提示。
- 小規模ならびに大規模アセンブリにおける各ソルバー(GENESIS、LS-TaSC、OptiAssist for Abaqus)の特性と適応範囲を整理し、実務における選定基準を明確化。
Abaqusソルバーを使用したトポロジー最適化モデル
今回の事例では、以前公開した非線形接触を使用した梁の3点曲げモデルを使用して、OptiAssist for AbaqusのTosca Acceleratorモジュールを活用してトポロジー最適化を実行します。別ソルバーでの解析結果は以下のリンクを参照してください。
GENESISやLS-TaSCと同様に、梁 × 治具、梁 × 圧子が非線形接触として定義されたAbaqus向け解析モデル。
Abaqusによる非線形接触のトポロジー最適化結果
OptiAssist Abaqus Tosca Acceleratorモジュールを使用してトポロジー最適化を設定し、最適化解析を実行した結果が以下となります。別ソルバーとの比較のため、MF(マスフラクション)は0.2として計算しています。
なお、計算にかかった時間は17分(8コア)でした。参考に、GENESISは8分(12コア)の計算時間でした。LS-TaSCは全く別のサーバーを使用したため比較しませんが、計算時間は他の2つと比較してかなり長い時間(GENESISの5~10倍)かかりました。
OptiAssist for Abaqus Tosca Acceleratorの強み
【非線形接触の収束計算が圧倒的に早い】
GENESISでも非線形接触を使用した最適化を取り扱うことができますが、複雑な大規模アセンブリになると接触計算の収束不良を起こすことがあります。一方で、Abaqusソルバーによる準静的解析は接触の収束計算が非常に良好であるため、非線形接触が複数含まれる大規模アセンブリにおいては、OptiAssist for Abaqusを使用した方が計算時間は圧倒的に早くなります。
【材料非線形性による収束不良】
本事例モデルでは、材料の非線形性を取り扱うほどの荷重がかかっていませんが、Abaqusでは一般に材料の非線形特性も取り扱います。この時に問題となるのが、陰解法(Implicit)では、材料(構造)の降伏が起こった瞬間に力の釣合いが取れずに収束エラーが起こってしまうことです。トポロジー最適化では材料の密度が変化していくため、この収束エラーが発生しやすくなります。
GRM技術(OptiAssist for Abaqus)によるブレイクスルー
OptiAssist for Abaqus Tosca Acceleratorでは、「収束エラーが発生=最適化計算ストップ」とならないよう、収束エラーが発生したステップの前に自動的に戻り計算をやり直す、という機能が標準実装されています。これにより、AbaqusとToscaを使用したトポロジー最適化の計算エラーを大きく削減し、大幅に計算時間を削減することが可能になりました。OptiAssist for Abaqusユーザーのベンチマークでは、計算時間が6倍早くなったと報告されています。
指定したMF通りの結果となり、GENESISによるトポロジー最適化と非常に似た形状となった。
非線形接触課題のトポロジー最適化まとめ
今回は、Abaqus+Tosca+OptiAssist for Abaqusによるトポロジー最適化を実施したので、3つのソルバーでの計算結果を比較します。
| ソルバー | GENESIS | LS-TaSC | OptiAssist for Abaqus | |
|---|---|---|---|---|
| 非線形接触 | 〇 | 〇 | 〇 | |
| 材料非線形特性 | × | 〇 | 〇 | |
| 計算時間 | 小規模アセンブリ | ◎ | × | 〇 |
| 大規模アセンブリ | × | × | 〇 | |
OptiAssist for Abaqusの紹介ページ
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この記事の監修・執筆チーム
GRM Consulting株式会社 解析エンジニアリング部
モータースポーツ最高峰のF1から量産車開発まで、20年以上にわたり構造設計・衝突・振動・流体解析に携わるスペシャリスト集団。 単なるシミュレーション結果の提示に留まらず、本記事のようなCAE最適化設計を活かした設計を得意とし、製造要件(鋳造・鍛造・押出成形・板金・CFRP)を考慮した「造れる設計」を提案しています。
- 主要ツール:LS-DYNA, Abaqus, Genesis, Nastran, OptiAssist, Simcenter 3D
- 専門領域:構造最適化、衝撃エネルギー吸収体最適化、CFRP複合材解析、衝突解析、CFD解析
